ホームホワイトニングは、自宅で根気強くケアを続けることで、徐々に歯を白くしていく方法です。矯正歯科などの施術に比べて効果が出るまで時間はかかりますが、治療に通う時間が取れない方にとっては理想的な方法といえるでしょう。
しかし注意すべき点やデメリットもあります。ここではホームホワイトニングについて、矯正歯科でのホワイトニングとの違いや、ケアの注意点などを幅広くご紹介してまいります。
目次
そもそもホワイトニングってどんな施術なの?
ホワイトニングは、特殊な薬剤を使用して歯の黄ばみを分解し、白くする施術です。
クリニックで行う「オフィスホワイトニング」、自宅で行う「ホームホワイトニング」そして両方を併用する「デュアルホワイトニング」の三種類があります。いずれも人工物を被せる方法と違い、自分の歯を白くしていくため自然な白さを目指すのに最適な方法です。
ホワイトニングに使用する薬剤は、「過酸化水素、過酸化尿素」などの漂白成分が含まれています。これらを取り扱えるのは医療機関のみです。ホームホワイトニングでも、マウスピースの製作や薬剤の処方のために通院は必要になります。
副作用やリスクとしては、人によって「歯がしみる」といった症状がでることがあります。痛みを感じた場合は、すぐに歯科医師に相談しましょう。
歯の内側が黄ばむのはなぜ?
正しい方法で歯磨きをしていても、定期的にクリーニングに通っていても、歯が黄ばんでくることがあります。生活習慣、抗生物質の影響でも黄ばみは出ますが、とくに加齢による歯の変化は避けることが難しい問題です。
加齢とともに歯のエナメル質は薄くなっているのに対し、内側の象牙質の部分は徐々に厚くなり、黄色みが強くなります。その結果、薄くなったエナメル質から象牙質が透けるため、少しずつ歯の黄ばみが気になってくるのです。
外側の汚れはクリーニング、内側へのアプローチはホワイト二ング
そもそも歯の着色には、原因が2つあります。
- ・外側のステイン:歯の表面に付着している着色汚れ
- ・内側のステイン:元々の歯の色味
クリニックで行うクリーニングでは、専用機器などを使用して外側のステインを落としていきます。コーヒーや紅茶、赤ワインなどによる着色汚れや、歯石などを取り除き歯の表面をキレイにする施術ですが、歯の内側のステインまでは落とせません。
一方ホワイトニングは、専用の薬剤によって「歯そのものの黄ばみ」を分解していきます。歯の表面にあるエナメル質内と一部象牙質内の有機物を分解して透明にしていく方法なので、内側のステインに対するアプローチも可能です。
ホームホワイトニングとは
ホームホワイトニングは専用のマウスピースと薬剤を使用して、自宅で歯を白くする方法です。以下のステップで施術を行います。
- 1.クリニックで歯の型をとる
- 2.ホワイトニング用のマウスピースを作る
- 3.マウスピースにホワイトニング用の薬剤を入れ、装着する
何度もクリニックに通う必要がなく、道具さえあればどこでもホワイトニングを行える手軽さが大きな特徴です。
継続することで少しずつ白くなるため、希望する白さになるまで薬剤を調整しながら継続します。
ホームホワイトニングの効果を出すための注意点
ホームホワイトニングの効果を最大限に引き出すために、気をつけておきたいことがあります。
早く効果を出すには毎日続けること
ホームホワイトニングは、ゆっくりじわじわと効果を発揮していく方法です。思い立ったときに長時間行うよりも、毎日30分ほどの時間でもなるべく継続して行うのが効果的です。
あせらず低濃度から始める
個人差はありますが、薬剤の濃度などによっては「歯がしみる」などのリスクがあります。早く効果を実感したいために高濃度で試してみたくなるかもしれませんが、あせりは禁物です。
痛みを感じるリスクを下げるためにも、最初から高濃度でのケアをしないことをオススメします。高濃度の薬剤はその分刺激も強くなるものです。まず低濃度から、様子をみていきましょう。
施術後30分は飲食を避けましょう
ホームホワイトニングの施術後に飲食をする場合、最低30分は間隔を置くようにしましょう。汚れを分解した直後、新たな着色汚れが歯に付着するのを防ぐためです。
歯石が気になる場合はクリーニングを併用
歯の表面に歯石や汚れが付着している場合、最初にクリーニングで汚れを取り除いてからホワイトニングを行うのが効果的です。ムラなくキレイに仕上げるためには併用をオススメします。
より早く効果を得たいなら
ホームホワイトニングはゆっくりと効果が出てくるものです。急いで効果を実感したい場合は、クリニックで施術を行う「オフィスホワイトニング」の併用も選択肢にいれるとよいでしょう。
ホームホワイトニングの効果が出にくい人、できない人がいる?
ホームホワイトニングを使用しても、なかにはあまり歯が白くならない人がいます。効果が出る人と出ない人には、どのような差があるのでしょうか。
効果が出にくいケース
神経がない歯や抗生物質「テトラサイクリン」による変色がある歯は、症状の重さによっては効果が出にくいケースがあります。
テトラサイクリンとは抗生物質の種類です。歯が形成される12歳までの間にこの抗生物質を多用すると、副作用として歯の変色が起きることがあります。重度の場合をのぞき、薬剤の調整やオフィスホワイトニングとの併用で白くなる場合もあるので、クリニックに相談してみるのがよいでしょう。
ホワイトニングの施術ができないケース
ホームホワイトニングに限らず、ホワイトニングをできないケースもありますので確認しましょう。
人工物の歯
差し歯やセラミック、詰め物など、人工物の歯に対してホワイト二ングの薬剤は効果を発揮しません。そのため周りの歯を白くしてから、色味に合わせて新しい差し歯などに交換するのがよいでしょう。
妊娠中、授乳中の方
胎児や母乳への影響については、安全性が証明されていません。妊娠中、授乳中の場合は施術を控えるようにしましょう。
また虫歯や知覚過敏のある方においては、ホワイトニングの施術が難しいこともありますので、歯科医師への相談をオススメします。
矯正歯科で行う「オフィスホワイトニング」と何が違うの?
オフィスホワイトニングは、クリニックに通院し、専用の薬剤と機器を使って行うホワイトニングです。
薬剤を塗布し、医療用のライトをあてることで歯を白くしていきます。セルフケアが面倒、自分で薬剤を扱うのが不安という方に最適な方法です。
ここではホームホワイトニングとどのような違いがあるのか、双方のメリットとデメリットをご紹介します。
すぐに効果を実感できるのは「オフィスホワイトニング」
オフィスホワイトニングは、一回目の施術直後から効果が実感できます。
目標の白さに到達するまでには最短で3回程の通院が必要になる傾向がありますが、色の変化を初日でも感じられるのは最大のメリットでしょう。
色戻りしたくないなら「ホームホワイトニング」
オフィスホワイトニングは、次の施術までの期間があいてしまうと色戻りが起こりやすいのがデメリットです。
一方、ホームホワイトニングは即効性に期待できないものの、じっくりと時間をかけて漂白するので色戻りしにくい特徴があるのです。また気になったときにすぐケアできるというメリットもあります。
奥歯までアプローチしたいなら「ホームホワイトニング」
オフィスホワイトニングは、医療用ライトをあてて白くするという仕組み上「ライトの届かない奥歯まではアプローチできない」というデメリットがあります。
一方ホームホワイトニングは薬剤を入れたマウスピースを装着するため、すべての歯へのアプローチが可能。広範囲の歯を一度にケアできるメリットがあります。
歯並びが悪いなら「ホームホワイトニング」
上記と同様の理由から、オフィスホワイトニングでは薬剤が塗布しにくかったりライトが届かなかったりする「重なった歯」への施術が難しい場合があります。
歯並びが悪い場合はホームホワイトニングが有効ですが、状態によっては色むらになるケースも否定できません。ベストなのは矯正治療との併用で歯並びごと美しくする選択肢でしょう。
矯正中のホワイトニングはどちらもOK!ただしNGな場合も
マウスピースでの矯正治療中のホワイトニングは基本的に可能です。しかしワイヤー矯正を行っているケースでは、表面にワイヤーがあるため十分な効果を得られないこともあります。
ただし裏側矯正の場合は、オフィスホワイトニングであれば施術が可能なケースもあるので歯科医師に相談してみましょう。
費用が安く済むのはどっち?
基本的に通院の必要が少ないぶん、ホームホワイトニングのほうが費用を抑えられる傾向があるようです。
しかしホワイトニングは保険適用外の治療であるため、歯科によっても大きく差があります。
使用する薬剤やどの程度まで白くしたいのかによっても価格が異なるため、事前に確認することが大切です。
※ホワイトニングの料金について、詳しくは以下のページをご参照ください
料金一覧ページ
デュアルホワイトニングという方法も!
よりホワイトニングの効果を実感したいのであれば、ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングを併用する「デュアルホワイトニング」という方法もあります。
ホームホワイト二ングのデメリットだった「効果を実感できるまでに時間が必要」という点も解消されます。またじっくり時間をかけて歯を白くするホームホワイトニングの特性を生かし、色戻りが少ないのも大きなメリットです。
しかしオフィスホワイトニングとホームホワイトニングの「良いとこ取り」に思えるデュアルホワイトニングにはデメリットもあります。
それは2つのホワイトニングを併用するため、やはり費用が高くなってしまうことです。
ホワイトニングの効果を持続させるには?
せっかく白くなった歯は、なるべく長く効果を維持したいもの。ホワイトニングの効果を持続させるためには「定期的なメンテナンス」を行いましょう。
どんなに気をつけていても再石灰化などの影響を受け、歯は色戻りをするものです。白くなった歯も、長くて10か月あれば元の色味になると言われています。
希望の白さを手に入れた後も、オフィスホワイトニングの場合はおよそ3ヶ月、ホームホワイトニングの場合は2週間以上あけずにケアするのがオススメです。
自分に合ったホワイトニングで白い歯を手に入れよう
ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングには、さまざまな違いがあります。どこまで白くしたいのか、現状がどうなのかによっても向いている方法は変わるため、まずはクリニックで相談してみるのがオススメです。
種類に関わらず、ホワイトニングは歯や口腔内の状態によって適用できる方とそうでない方がいらっしゃいます。またメンテナンスの頻度なども個人差が出てくるものですので、クリニックでしっかり相談にのってもらいましょう。
※ホワイトニングについて詳しくは以下のページもご参照ください
葛西モアのホワイトニング
この記事の監修医師
葛西モア矯正歯科 院長
酒井 優真
Yuma Sakai
- 日本矯正歯科学会 認定医
- インビザライン公式認定ドクター
日本全国の歯科医院で矯正治療に従事し、3,000人以上の治療を担当。2017年、葛西駅前に「葛西モア矯正歯科」を開院。
歯列矯正への心理的ハードルを下げるべく、「治療中の見た目」や「痛みの少なさ」に配慮した治療に力を入れている。
<3000症例以上の豊富な経験と高度な技術で、装置の見た目にもこだわる矯正治療を提供>
住所:〒134-0083 東京都江戸川区中葛西3-37-16 第二カネ長ビル5F
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